日時:2021年6月27日(日) 10:00〜17:00
以下の内容で開催しました。『鍼の会雑誌』、『鍼灸病證学序説』は次回に紹介・講読します。
[文献講読]井上雅文講義録『脈状診を学ぶ為の基礎と臨床』(臨床セミナー第11回(1991年8月30日)④)の検証
・前立腺肥大:労倦虚風①⑤は治りやすい。→気虚寒湿④⑤などが多い。
・腎臓病:種々の病名があるが、虚労虚寒④⑤が良い方である。
・膀胱炎:虚労寒湿が良い。
・腎盂腎炎・ネフローゼ:傷寒か風証(風寒・風熱)があって慢性化して、虚労寒湿や気虚寒湿になる。
最初から傷寒か風熱で治療する方が良い。
・浮腫に対する施灸:三陰交もしくは至陰に知熱灸(熱くなるまで点灸)をするとよい。
・風熱に対する治療:④の場合、魚際と少商の補法、金門の瀉法を行う。
⑤の場合は外丘を瀉法。または百会の灸も行う。
[症例検討]うつ症状・パニック障害・頚椎ヘルニア・腎機能低下
腰痛症・腎臓病
[病證学]中国医学における各家学説の文献と検討(参考書紹介)
・北京中医学院『中医各家学説』上海科学技術出版社(1966年)
・任応秋『中医各家学説』上海科学技術出版社(1979年)
・黄煌『中医伝統流派の系譜』東洋学術出版社(2000年)
・厳世芸主編『中医各家学説』(新世紀全国高等中医薬院校規劃教材)中国中医薬出版社(2003年)
・魏稼主編『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社(2003年)
・任応秋『中医各家学説講稿』人民衛生出版社(2007年)
・裘沛然・丁光迪主編『中医各家学説[第2版]』人民衛生出版社(2008年)
[臨床検討]本間祥白『誰にでも分かる経絡治療講話』の経脈病證と『霊枢』経脈篇の比較
経絡治療における是動病・所生病の意義
ICD-11における経絡病証と現代鍼灸臨床における経脈病証の扱い
→経絡病証と経脈病証の違いとは何か。
→経絡病証は運用されているのか。
→診断と治療に用いる経絡とは何か。
→触診と流注病証は経絡治療の五蔵病證となりうるのか。
[臨床実技]足厥陰肝経・足太陰脾経の取穴
→中封と曲泉の取り方と効果的な取穴法
下肢の浮腫に対する施灸の検討(三陰交・至陰・裏内庭・失眠・足三里の比較)
→浮腫に対する至陰穴の臨床効果の実験
陽虚で陽経を優先、陰虚で陰経を優先した場合の有効性の検討
→陽経から本治を行う場合の脈状の変化に対する検証